トヨタとパナソニックの提携。目指すは全固体電池

トヨタは今年パナソニックと車載用角形電池事業の新会社を設立しています。
これは来年から本格的なEV車を投入し、
遅れているEV市場での巻き返しを図る布石と見られています。
トヨタは2030年にはハイブリッドや燃料電池車を含む電動車を
全世界で550万台販売する目標を持っています。
この数値は2018年の実績の3.4倍に相当し、
達成の為には膨大な量の車載電池が必要となってきます。

テスラ

一方のパナソニックは電池の出荷量で長らく世界一の座にいましたが、
不安要素があります。
パナソニックは2000億円をかけてネバダ州にテスラ社向けの電池工場
「ギガファクトリー」を建設していますが、
テスラの主力車種である「モデル3」の量産が軌道に乗らず、
投資の回収ができていない状況です。2019年は上海でも工場が稼働の予定ですが、テスラの業績が堅調かどうかは未知数です

また、ライバルの追い上げも厳しく、2018年にTDKの子会社から生まれ変わった中国のCATLが急成長し、パナソニックから電池出荷量世界一の座を奪ってしまいました。

新会社の目玉?全固体電池

こうした状況を踏まえて両者は各々の問題を打開するために新会社を設立したと思われます。
しかし、2020年はEV元年になりそうでライバルたちも多くのEVを投入してくるでしょう。
そんな中でトヨタとパナソニックが存在感を示すには他を圧倒する「目玉」が必要です。
それが「全固体電池」という訳です。全個体電池は簡単に言えばこれまでの電池(2次電池という)に必須だった「電解液」を固体化した物で、以下のようなメリットがあります。

  • 給油並みに数分で充電できる「超急速充電」が可能
  • 電解液の液漏れや発火の恐れがなくなり安全性が高まる
  • エネルギー密度が飛躍的に高まり、自己放電が大幅に減少
  • セル単位で密封する必要なくなり、設計の自由度が向上
  • 日本が技術的に先行しており、アジア勢を圧倒しやすい

全固体電池のメリットの中でも重要なのは日本が世界をリードしている分野である
ということです。
トヨタは全固体電池で圧倒的なノウハウと保有していると見られ、
2012年には出力密度が従来比5倍の試作品の製造にも成功しています。
トヨタとパナソニックの新会社は全固体電池の量産化を見据えていると考えます。

これが実現すればトヨタは一気にEVの主役に躍り出る可能性が高くなります。

しかし、油断はできません。
今年3月にはTDKと日立造船が容量の少ない全固体電池の量産化を始めるという
ニュースもあります。
また、大容量版の量産化には、
導電率の高い固体電解質ではまだ可燃性などの危険がある
という課題も残っています。
課題を解決していち早く量産化できるのはどこの会社なのか?
日本国内での競争も激しくなりそうです。
車載できる大容量版はまだ少し先とはいえ、
EVが新たなステージに入るのはもうすぐそこまで近づいています。

最後までお読みいただきありがとうございました。
では、またの機会にお会いしましょう。

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