前年同月比で急増、急減しているクルマは?!

前年同月比何%という形で売れ行きを表現することがありますよね。
2019年の1月と2月の新車販売台数で急激に増えているクルマや減っているクルマがあります。今回はその理由について紹介しましょう。

マツダ CX-5

2月前年同月比569.2%

2月の登録台数は4087台で特に多くはありませんが、前年同月比は569.2%と激増しています。
その理由は前年、つまり2018年の2月にエンジンの改良を伴う規模の大きな
マイナーチェンジを行い、登録台数が700台弱に下がったためと言われています。
改良を行う時は、一時的に生産ペースが下がり、
登録台数が減ることは珍しいことではありません。
これにより今年は急増となりました。

このように対前年比から需要の増減を判断する時は、前年の台数と「前年の対前年比」を見る必要があります。

現行のCX-5は2017年に発売されました。
クルマの売れ行きは、フルモデルチェンジをしない限り、
時間の経過に連れて下がるか横ばいです。
急増する場合は特別な理由があると考えられます。
単純に人気が高まったからと判断せずに理由を探ることが大切です。

スバル レヴォーグ

2月前年同月比50.4%

レヴォーグは毎年改良を行います。
2018年も4月に安全装備アイサイトの性能向上を実施しています。
従って今年も4月から7月に大幅な改良を行う可能性が高く、売れ行きが下がりました。

ちなみに2018年2月の対前年比も76%ですので、
昨年が増えた影響で今年が減ったという訳ではなさそうです。
レヴォーグは発売から約5年を経過するため、年を経過するごとに売れ行きが減少しています。

また、スバルは今年1月16日から26日にかけて、
電動パワーステアリングの不具合で操業を停止しています。
問題のパワステを装着するのはフォレスター、インプレッサ、XVで
1月にはインプレッサの対前年比が34%、XVを含めても44%と下がりました。
工場はこれらの車種と混流生産のため、
レヴォーグも2月に入って影響を受けた可能性があります。

ホンダ ジェイド

201805271349

2月前年同月比600.0%

従来のジェイドは3列シート仕様のみで、2列目は座り心地が悪く、
3列目はチョー狭いものでした。
そこで2018年5月に快適な後席を備えた2列仕様を加えています。
グレード構成も見直してスポーティーなRSの走行性能を高めて販売の主力に据えました。

その結果、売れ行きが伸びましたが、登録台数は大した数字ではではありません。
2019年2月の対前年比は600.0%とすごいですが、登録台数は300台にとどまっています。
2018年がわずか50台だったので6倍に増えたといったところです。

月販台数が100台以下になるとモデル末期の特別仕様車が
少し売れただけで対前年比が急増することがあります。
不人気車を人気車に変えるのは難しいですが、
多少販売のテコ入れは工夫次第で可能だという良い例です。

トヨタ アルファード

1月前年同月比201.5%

アルファードは2018年10月に改良を施しています。
安全装備のインテリジェントクリアランスソナーを全車に装着するなど
機能を充実させています。
これをきっかけに売れ行きも持ち直しました。

そして昨年1月の対前年比は、89.4%で下降していたので、今年の1月は比率でみると210.5%に達しました。

また、アルファードの納期は2~3か月と不安定に長く、
登録台数が急激に増加することがあります。
更にアルファードは法人営業の強いトヨペット店の扱い車種のため、
景気の上昇に伴って社用車の需要が増える傾向も見られます。
これらの相乗効果で対前年比が伸びたと考えられます。

トヨタ プリウスPHV

1月前年同月比35.6%

プリウスPHVは2017年12月に特別仕様車を設定したため、2018年1月に売れ行きが伸びて、
相対的に今年の売れ行きが下がった可能性があります。

ただし、登録台数そのものは450台と少ない。
2月は970台で増減の比率は大きいが、登録台数の違いは500台少々しか差がありません。
販売店によると、最近は標準タイプのプリウスが納期を伸ばし、3~4か月待ちのようです。
逆にPHVは売れていないので短いです。
標準タイプのプリウスを生産する都合上、PHVが一時的に影響を受けた可能性があります。
プリウスは標準モデルを含めると1か月に1万台近くを登録するので、
PHVに500台程度の増減が生じても不思議はありません。

ニッサン リーフ

2月前年同月比50.2%

現行リーフは2017年9月に発売されたので5か月後の2018年2月には、
登録台数が3720台に増えました。
新車効果によるもので、同月の対前年比は217.4%でした。
この影響で今年2月の対前年比は50.2%に減ったと思われます。2017年2月は1711台だったので今年の2月と同等です。
つまり売れ行きが先代のモデル末期だった2年前に戻りました。

人気の下降と受け取れますが、リーフの納期が延びていることも影響しています。
今年1月に発売された62kwhバッテリーのe+の納期は4か月と長く、
標準タイプでもグレードによっては3か月のものもあります。
国内向けの生産が進まず伸び悩んだと考えられます。

ニッサン スカイライン

1月前年同月比38.1%

現行スカイラインは2017年12月にマイナーチェンジを受けました。
それ以降は改良を受けていません。

従って今年1月の登録台数が141台で対前年比が38.1%に減ったのは
生産の都合などによる台数の動きと思われます。
2月は309台に増え、対前年比も70.7%まで持ち直しました。
登録台数が500台以下の車種は台数と納期を不規則に増減させることが多いです。
かつてのスカイラインは人気車で1973年に発売された4代目モデルは
1か月平均で1万3133台も登録されました。
2018年の61倍も売れていたそうです。
今の半場台数は当時の1.6%とさみしい状況です。

ダイハツ ブーン

1月前年同月比234.2%

トヨタパッソは今年1月の対前年比が90.8%と少し減少しました。
にもかかわらず、姉妹車のダイハツブーンは234.2%と大幅に伸びました。

その理由は2018年10月のマイナーチェンジにありそうです。
この時にブーンは、ダイハツ独自のグレードとして「ブーンスタイル」を加えました。
そして販売店には試乗車を以前よりも豊富に配置し、TVでCMも活発に放映しました。これらが相乗効果となって成果につながったと思われます。

ただし、本年1月の登録は1122台だから、台数自体はさほど多くありません。
昨年が500台以下だったため、比率を大きく高めました。
販売が低調な車種は600台の上乗せでも急増になります。

マツダ デミオ

2月前年同月比69.2%

2018年8月に1.3ℓのガソリンエンジンを1.5ℓに拡大するなどの改良を行いました。
この効果で同年10月は対前年比が136.7%、11月には172.8%に伸びましたが、
12月は48.1%と急落しました。
これは2017年11月にも改良を行い、翌月の対前年比を140.1%に伸ばしていたためです。つまり改良して売れ行きが伸びると、翌年は対前年比がマイナスになってしまいます。デミオはこれを繰り返しています。

そして改良のない今年は1月の対前年同月比が61.4%にとどまり、2月も69.2%です。
デミオの魅力が薄れ、改良をしない限り、売れ行きを保てない状況に陥っています。

ミツビシ eK(シリーズ)

1月前年同月比120.1%

1月、2月は先代のekの販売になります。
先代eKの販売台数はダイハツキャストと同等なので、販売ランキング順位は低いと言えます。
ただしeKは、軽自動車でも業販店(修理工場などに併設された小さな販売店)
で売られる台数が少なく、ディーラーが中心になります。そのミツビシディーラーの店舗が減り、今は500か所以下です。2000店舗を越えるホンダやニッサンに比べると大幅に少ないですね。

そこまで考えると、今年1月に4164台なら検討していると言えます。
対前年比が120%に増えたのはフルモデルチェンジを控えて、
在庫車を大幅値引きで売ったためと思われます。
軽自動車の場合、価格の安さを重視して、
大幅値引きの先代型を買うユーザーも多いようです。

まとめ

増減の激しい前年比には傾向あり!

月販台数に併記される「対前年比」とは、前年と比べた増減の度合いを示す数字です。

対前年比が増えた時は、過去1年間にフルモデルチェンジや
大幅改良が行われた可能性が高いと思います。
商品力を高めずに、対前年比が伸びることは考えにくいからです。
一方、販売台数が極端に少ない車種は、生産の都合で台数が少し減少しただけで、
対前年比が大きく変わることがあります。

また、改良などが実施されなければ対前年比が下がる訳ですが、
大幅に減った場合はさらに要因が考えられます。
前年の販売台数が改良などによって大幅に増えていると、
本年の前年比は反動で大きく下がりやすいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
では、またの機会にお会いしましょう。