自動運転レベル3では事故解決が面倒?!

昨年暮れ、警視庁が道路交通法改正試案を発表しました。
その中にはレベル3相当の自動運転に対応する規定があることがわかりました。
この件は「頭の堅い警察が自動運転中のスマホ使用を認めた」
ということで話題になりました。

道路交通法が自動運転中のスマホ使用を認めた!

ご存じの方も多いと思いますが、まとめると以下の通りです。

  1. ドライバーに代わってクルマが認知、予測、判断、操作を行うことも「運転」とする。
  2. 自動運転中、万一の際に適切な対応ができるならば、スマホやカーナビを見たり、使ったりしても良い。
  3. 自動運転を行うクルマは、作動状態を後から確認できる記録装置を備えねばならない。

この中で話題となったのはもちろん”2″です。この条項が追加されることで、
一定の条件下とはいえドライバーはスマホを手に取ってメールや
LINEをチェックしたり、返信したりすることが可能になります。
現実的には軽食をとったり、お化粧をするといった行為も認められるかもしれません。

事故で問われるのはどっちが運転していたか

しかしながら、喜んでばかりもいられません。
万一事故などを起こした場合、レベル3固有の問題が起こることが予想されます。
そもそも「レベル3の自動運転」とは何か。
道路交通法が参考にするSAEの規定によれば「一定の条件を満たす場合には
自動運転システムが全ての運転操作を実施するものの、
当該条件を満たさなくなった時や故障が生じた時は運転者に運転を引き継ぐ
必要があるもの」とあります。

言うなればレベル3とは、運転の主体がドライバー側にあるレベル2と
システム側にあるレベル4が混在する状況であり、事故を起こした場合は
その時の運転主体がどっちにあったのか?が、重要になります。

例えば「ドライバーがハンバーガーを食べている時に自動運転が不能になり、
事故が起きた」というような場合、運転者がどのように運転を引き継いだかが問われます。
すみやかにハンドルを握ったのか、手がケチャップだらけで
一瞬ハンドルを握ることを躊躇したのか、ということが争点になります。

この手の問題を解決するには、少なくとも以下の仕組みが必要になると思われます。

  1. 自動運転が継続できなくなった時、クルマがそのことを運転者へ確実に伝える仕組み。
  2. 自動運転が継続できなくなった時、運転者がどのように運転を引き継いだかを記録する仕組み。

このあたりの問題をどう解決するのか、国の判断が問われますが、
この道路交通法改正試案は1月から夏まで続く通常国会に提出されて、
成立すれば2020年から施行の予定です。

なおこの試案では自動運転ではない状況でスマホを使った際の反則金などが大幅にアップするそうです。以下に表を載せますので十分注意してください。

ちなみに赤信号で停車中にスマホを操作していても違反になるそうです。
実際に検挙された方がいるそうですので注意してください。

スマホやカーナビによる違反はこう変わる
  現行
  通常(反則金) 刑事罰
となった場合
運転中スマホを手にもって通話したりメールの送付などをする
【携帯電話使用等(保持)】
大型自動車等は1万円、
普通自動車等は8千円、
小型特殊自動車等は6千円
5万円以下の罰金
上記の状況により、交通に危険を生じさせた場合【携帯電話使用等(交通の危険)】 大型自動車等は2万円、
普通自動車等は1万5千円、
小型特殊自動車等は1万円
3か月以下の懲役
または5万円以下の罰金
  改正案
運転中スマホを手にもって通話したりメールの送付などをする
【携帯電話使用等(保持)】
大型自動車等は5万円、普通自動車等は4万円、小型特殊自動車等は3万円 6か月以下の懲役または10万以下の罰金
上記の状況により、交通に危険を生じさせた場合【携帯電話使用等(交通の危険)】

反則金ではなくすべて刑事処分の対象に

1年以下の懲役
または30万以下の罰金

最後までお読みいただきありがとうございました。
では、またの機会にお会いしましょう。

番外編

ヰセキが自動運転トラクタを発売!

自動運転が進んでいるのはクルマだけではありません。
1月にはJR山手線でも無人運転の試験が始まりました。
船や航空機の分野でも研究が進んでいます。

今回紹介するのは農業機械の分野です。なんとヰセキが、初の自動運転トラクタを発売しました。
「TVJ655R」というこのトラクタ、使用者が田畑やその近くから監視することで
無人耕うんが可能です。
さらにオペレーターが運転する有人トラクタと連動させて無人作業を行わせることも可能で、
農作業の省力化や生産性向上に大きく貢献しそうです。

運用するには使用者のトレーニングが必要とのことですが、実際の操作は簡単で、
7インチのタブレットとリモコンを操作するだけといいます。
GNSS(全球測位衛星システム)の位置情報に対して、
無線基地局や車体に積まれたアンテナが補正を行う機能も備えているため、
田畑での動きも極めて精度が高いということです。

ヰセキは農機の自動操舵化に早くから取り組んでおり、
「ISEKIドリームパイロット」というシリーズ名のもと、
2017年12月には直進作業をアシストする田植え機、
2018年6月にはGPSによるアシスト機能を備えたトラクタを発表、
今回の自動運転トラクタが第3弾のモデルとなります。

ロボットトラクタTVJ655Rの価格は1307万円と高めですが、
農業の未来を切り開く1台となりそうです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
では、またの機会にお会いしましょう。

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