ベンツが直6エンジンを復活させたのはなぜか?

こんにちは。ジーボです。
今回は「ベンツが直6エンジンを復活させたのはなぜか?」について紹介します。
復活というからには以前は直6を使用していたのに一度やめているということを意味します。
まずはこの辺からお話しましょう。

直6エンジンの歴史

直6エンジンとは正式には直列6気筒エンジンと言います。
シリンダーが6つ直列に並んでいることからこのように呼ばれています。
直6エンジンはもともと高級車用エンジンの象徴と言うべき存在で
戦前から世界の高級車のエンジンは軒並み直6エンジンでした。
その理由は1次・2次振動や偶力振動といったエンジンから発生する振動が発生しないため、
振動対策のギミック(カウンターウェイトやバランスシャフト)が不要で
スムーズなエンジンだからです。
また、吸排気や熱処理のレイアウトが容易でターボ化などの性能向上策が
取りやすいというメリットもあります。
更には直列4気筒と設計も生産工程も共用できることから
生産効率も高いエンジンと言えました。

ダウンサイジングの波

しかし、オイルショックによって状況が変わりました。
自動車メーカーはエンジンのダウンサイジング化に取り組み始めます。
また、FF車の上級車移行が始まったことで直6からV6エンジンへの移行が進みました。
というのも、FF車の場合、エンジンは横置きでセッティングする必要がありますが、
直6エンジンを横置きするのはエンジン長が長い為、難しかったのです。
更に、衝突安全性がクローズアップされはじめ、
エンジン長の長い直6エンジンはクラッシャブルゾーン(衝突時に潰れることで
そのエネルギーを吸収し、人や荷物、機械などを保護する働きを持つ空間)を
確保しにくいことから直6エンジンはどんどんと淘汰されていきました。

第二次ダウンサイジングブーム

そして第二次ダウンサイジングブームが起こり、
直噴ターボエンジンが注目され始めました。
それまで高級車用であった3リッター級6気筒エンジンが直4ターボでも対応可能となって、
直6エンジンは存在を否定されるかのような扱いをされ始めました。
この頃にベンツが直6をやめ、日本でも同様にトヨタとニッサンが同時期に
直6エンジンの生産をやめました。
そんな中でも唯一BMWだけが搭載車種を減らしながらも直6エンジンを使い続けてきました。

復活の直6エンジン

ところが2017年にメルセデスベンツがガソリン・ディーゼル共用設計の
新型直6エンジンを投入してきました。
理由の一つは直4エンジンとの生産共用があります。
これによって生産効率を高めるねらいがあったようです。
ここ最近の流れはほとんどの車種が直4エンジンで賄われており、
V型6気筒のエンジンは少数派となっていました。
V型エンジンの生産は少量といえどもそれだけでラインを一つ占有してしまう為、
効率が悪いと判断し、生産共用ができる直6エンジンに切り替えたという訳です。
直6エンジンが衰退した原因の一つである衝突安全性は時代の流れの中で技術開発が進み、
エンジン長の長い直6であっても十分に安全性が確保できるようになり、
直6の活躍の場が再び現れたという訳です。

勢力拡大となるか?

さて、この流れは他社へ広がりをみせるでしょうか?
これには疑問の声が多いようです。
直6を使うということはすなわちFR車のクルマを作ることを意味します。
前述の通り、直6をFF車で使用する場合、エンジンを横置きにする必要がありますが、
エンジン長の長い直6を横置きするのは難しいからです。
現在の高級車はベンツ・BMWを除けばほとんどがFF車。
だから直6ではなくV6エンジンを使用している。
今さら居住空間が狭くなるFR車を開発するとは考えにくく、よってベンツ・BMW以外で直6エンジンを新規開発することはないと思われます。

まとめ

これまでの話をまとめますと、
そもそもメルセデスベンツが直6をやめてV6にしたのは、
V6エンジンのほうがエンジン長が短く、
衝突時のクラッシャブルゾーンを稼げることが大きな理由でした。
ところが、技術が進歩し、直6を積んでも十分に安全性を
確保することができるようになったため、
メルセデスベンツは再び直6へ戻りつつあります。
しかも単なる直6ではなく48Vのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムとして開発し、
高効率のシステムとしています。

最後までお読みいただきありがとうございました。
では、またの機会にお会いしましょう。

追伸:

文中で直6の開発をする会社はベンツとBMWだけだろうと言っておきながら、
実はマツダが直6エンジンを開発しているというウワサがあります。
マツダにとっては初めての直6エンジンのようです。
このエンジンを次のアテンザもしくはその上のクラスを作って搭載しよう
と考えているようです。
また、これにあわせてFR用シャーシーも開発されているということです。
マツダはプレミアムカーメーカーの仲間入りを画策しており、
その戦略車としてこの開発を進めています。
一部では開発中止の声もありますが、実際のところはまだよくわかっていません。
本当であれば楽しみではありますが、
ジーボのような庶民には縁遠いクルマとなりそうです。

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