こんにちは。ジーボです。
各社SUVの自動ブレーキについて紹介するシリーズの第三弾です。
前回はニッサン、ホンダ、マツダを紹介しましたが、今回はミツビシ、スバル、スズキについて紹介したいと思います。
目次
MITSUBISHI アウトランダー/アウトランダーPHEV

システムはトヨタやスズキが採用しているコンチネンタル製の赤外線レーザー+単眼カメラです。
コンチネンタル製というとトヨタの夜間歩行者検知可能な第二世代セーフティセンスを思い出しますが、あちらはミリ波レーダー+単眼カメラで性能的にも高いです。
一般的に赤外線レーザーを使う理由はコストと言われています。
しかし、アウトランダーPHEVの場合、ACC(アダプティブクルーズコントロール)用にレーダーも装備しています。
これだけコストがかけられるなら、最初からレーダーを使用すべきですね。
ミツビシは今後ニッサンとの部品共用が進むと考えられるので、次世代システムはモービルアイの画像処理チップEyeQをしたシステムにかわっていくことでしょう。
そのころにはエクストレイルと兄弟車になっているかもしれませんが。
JNCAPの試験では歩行者・遮蔽物ありで大人のダミーを使用した試験を30km/hでクリアしています。
夜間歩行者検知はできません。
MITSUBISHI エクリプスクロス

アウトランダーPHEVと全く同じコンチネンタル製赤外線レーザー+単眼カメラのシステムです。
JNCAPの試験では停止している車両に対し、50km/hで自動停止でき、大人のダミーに限って言えば遮蔽物ありの条件で30km/hでクリアしています。
子供のダミーでの試験は行っていないことから、子供のダミーでは停止する確実性が低いのだろうと予測します。
夜間歩行者検知はできません。
SUBARU レガシィアウトバック

2014年に登場した時はアイサイトVer.3を搭載し、ダントツの自動ブレーキ性能でしたが、その後改良が全く行われていません。
停止している車両に対する自動ブレーキの性能は現在でもトップクラスを維持しているものの、JNCAPの試験をみると遮蔽物ありの歩行者試験が弱いです。
大人のダミーを30km/hでクリアしていますが、子供のダミーは試験を受けていません。
こちらも止まれる自信がないということだと思います。
これは他社のカメラに比べてアイサイトのカメラの視野角が狭いことが一因になっています。
夜間歩行者検知については見えていればブレーキをかけるということで街中など明るい場所では効果が期待できます。
SUBARU フォレスター
スバルの最新モデルであるフォレスターですが、相変わらずアイサイトVer.3を搭載しています。
機能アップは図られているようですが、ミリ波レーダー+単眼カメラを使ったシステムで夜間歩行者検知ができるマツダやトヨタ、夜間歩行者検知はまだできないものの、それ以外では同等の性能を持つニッサンには及ばないようです。
Ver.3はそろそろ限界だと思いますので、Ver.4あるいはその他の方法で性能向上を図る必要があります。
SUBARU XV

このクルマもアイサイトVer.3のままです。
2014年にVer.3が登場した際にカメラをカラーにし、視野角についてもVer.2から向上させていたようですが、それでもJNCAPの試験では視野角への対応は十分でないと言えます。
今となっては平均レベルの自動ブレーキになってしまいました。
SUZUKI エスクード

自動ブレーキの技術は日進月歩の勢いで進んでいます。
ダントツの性能を誇ったアイサイトVer.3も、もはや平均レベルと言われるほどです。
そんな中にあってエスクードの自動ブレーキはレーダー単独のシステム。
柔らかい歩行者はレーダーを反射しないため、昼間の人検知すらできません。
当然夜間歩行者検知はできません。
停止している車両に対する自動ブレーキもせいぜい25km/h程度しか自動停止しません。
このクルマについている自動ブレーキは気休めです。
危険時に警告音が鳴るため、その時点で自分で急ブレーキをかけてください。
SUZUKI クロスビー

システムはコンチネンタル製の赤外線レーザー+単眼カメラを使ったシステムでコストパフォーマンスは高いです。
クロスビーはJNCAPの試験対象車となっており、停止している車両に対する自動ブレーキ性能は50km/hノーブレーキで接近しても完全自動停止できます。
遮蔽物ありの歩行者も大人のダミーなら30km/hと標準的な性能を引き出せています。
子供のダミーについては試験を受けていません。
また、夜間歩行者検知はできません。
SUZUKI ジムニー/ジムニーシエラ
こちらもコンチネンタル製の赤外線レーザ+単眼カメラを使ったシステムを使っています。
2つのセンサーがユニットになっていて低コストで簡単に付けられるため、トヨタやミツビシなどでも同じシステムを使用しています。
このシステムの標準的な性能としてはJNCAPの試験のうち、停止車両に対する性能は50km/hで接近して自動停止可能。
遮蔽物ありの歩行者も大人のダミーで30km/hで停止可能といった感じです。
ジムニーは試験を行ってはいませんが、同等の性能が期待できます。
ただし、夜間歩行者検知はできません。
また、ACCと組み合わせることはできません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
では、またの機会にお会いしましょう。