自動ブレーキ普及に貢献。モービルアイってどんな会社?

皆さんこんにちは。ジーボです。今回は自動ブレーキの世界で有名な企業モービルアイ社について書きたいと思います。

2017年5月JNCAPの2016年度歩行者対応自動ブレーキ試験の発表が行われました。前年度上位であったスバルのアイサイトを抑えて、ニッサンのセレナ、マツダのアクセラが1位、2位を獲得しました。

この情報を聞いてジーボも驚きました。まさかアイサイトを上回る成績をスバル以外の会社が獲得するとは思ってもみなかったからです。

その時考えたのは、マツダはかつてボルボと同じグループに所属していたので、当時世界有数の自動ブレーキ技術を有していたボルボから技術供与を受けたのではないかと考えました。しかしニッサンについては説明がつかず不思議に思っていました。

後になってわかったのがセレナとアクセラの搭載する自動ブレーキの基幹システムは同じでその開発元がモービルアイ社であったということでした。

創業

モービルアイ社は1999年にIT技術者だったアムノン・シャシュアさんと起業家のジブ・アビラム氏がイスラエルのエルサレムで創業しました。モービルアイ社の本社は実はオランダのアムステルダムにあるのですが、法人税対策のためだそうで、開発の拠点はイスラエルなのだそうです。

創業してすぐに日本や欧米のクルマメーカーと協力してクルマの走行データ収集を始めました。集まった膨大なデータをもとにクルマの安全性を高めるデバイスの開発を始めました。モービルアイ社はそのデバイスをたったひとつのモノクロカメラで実現しようとしました。

たったひとつのモノクロカメラでどうして先行車までの距離がわかるのでしょうか?スバルのアイサイトはステレオカメラを両目にたとえ、むかし理科の時間で習った「奥行きがわかるのは両目の視差のおかげ」という原理を利用しています。

モービルアイは遠近法の原理を用いています。風景の中で道路などの平行なものは必ず1点で交わります。これを消失点といいますが、道路上にある物体は近くにあるほど消失点よりも下にずれて見えます。モービルアイの単眼カメラは「消失点からどれだけ下にずれているか」を監視することで先行車との距離を測っています。さらにその画像を1フレームずつ比較し、「先行車が近づいているか、遠ざかっているか」まで判断しています。

製品

2008年にモービルアイ社初の運転支援システム「EyeQ1」が完成しました。このシステムはBMW7シリーズに初搭載されましたが、当時はまだブレーキ制御は行えず、制限速度警告やハイビームの自動切換え、車線逸脱警報といったドライバー支援にとどまりました。

しかし、2010年に第二世代「EyeQ2」を発表します。「EyeQ2」は単眼カメラだけを用いた車両衝突予測や歩行者の視認も可能になり、各社の衝突軽減ブレーキと組み合わされて画期的な安全運転デバイスとなりました。

さらに、2014年に登場した「EyeQ3」では自動運転を見据えたプラットフォームへ発展し、データ量が膨大になりがちな3次元地図の情報を効率よく処理するロード・エクスペリエンス・マネジメント(REM)といった新機能を盛り込み、各社がしのぎを削る自動運転という戦場へ参戦することとなりました。

このころには1世代前の「EyeQ2」が量産効果で安くなり、高級車だけでなく、ミニバンやコンパクトカーなどの量産モデルにも採用されるようになりました。

単眼カメラをつかったユニットは構造がシンプルなうえ、ミリ波レーダーや赤外線レーザといったカメラ以外のセンサーとの連携が容易なことでクルマメーカーから指示を集めました。

こうした歴史の積み重ねを経てJNCAPでの好成績が生まれたというわけです。

関係企業

ちなみにモービルアイと関連のあるクルマメーカーは日本ではニッサンとマツダ、ドイツではBMWとフォルクスワーゲン、アメリカではGMとルシッドモータース、中国ではNIOとなっています。

また、あまり知られていませんが、モービルアイの運転支援システムはアフターマーケットでも市販されていて、後付けすることも可能です。

現在市販されているのはME570というモデルで、単眼カメラを備えたメインユニットと表示端末からなります。これをフロントガラスとダッシュボードにとりつければ、前方車両や歩行者の動き、車間距離などを監視し、危険を警報で知らせてくれるそうです。

ただし、価格は17万円くらいと高額なうえ、専門家による取り付けが必要なのだとか。愛車につけるのはいささかハードルが高いですね。

大型トラックや長距離バスの世界では事故低減に大きな効果が出ているということです。

そんなモービルアイ社ですが、2017年3月に半導体の王者インテルに1兆7442億円という巨額で買収されました。

今後は単眼カメラで培った画像解析技術に通信やクラウド、AIなどのインテルの技術を加えてより成長していくと考えられています。

果たして思惑通り成長していくのでしょうか?

インテルという巨人に吸い込まれてイニシアティブをとれなくなったりしないか気になります。今後の動向に注目です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

では、またの機会にお会いしましょう。

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