皆さんこんにちは。ジーボです。
梅雨の季節がやってきましたね。
それだけでもうんざりという感じですが、時には雨も楽しいと思うこともあります。
今回から毎月テーマを設定して絵本を紹介していきたいと思います。
ということで、6月のテーマは「雨」です。雨にちなんだお話を紹介していきたいと思います。
それは、あらしの夜だった
まず最初のお話は1994年発行、ジャネット&アラン・アルバーグさん作、佐野洋子さん訳の「それはあらしの夜だった」です。
お話の主な登場人物は少年アントニオと山賊の親分、そしてその子分たちです。
どしゃぶりの雨の中、アントニオと山賊たちは山奥の秘密のかくれがにいました。
アントニオは山賊たちに誘拐され、連れてこられたのです。
雨で行動できず、退屈な親分はアントニオに話をしろとむちゃぶり。
話ができないなら自分で作れと言います。
アントニオは少し考えて話し始めます。
「それはあらしの夜だった…」
このお話は登場人物が多くてちょっと混乱します。
子分はそれぞれ特徴を持っているので、お子さんたちにはわかるのかもしれませんが、年老いたジーボにはちょっとつらかった…。
子分たちの名前がぞろぞろと出てきて誰がどんなことを言ったかまで覚えていられませんでした。
また、アントニオの話は作り話なのでまとまっておらず、わかりにくい。更に途中で山賊の親分や子分たちが話に注文をつけるので余計に話がややこしくなっています。
でも子どもたちが自分で話を作ろうとするとこんな感じだろうなと思いました。
アントニオの作るお話の最初は暗い感じで始まります。確かに子どもたちの話は最初は暗い感じが多いように思います。実際の子どもたちの感覚がよく出ていると思いました。
そんなお話を何とか楽しく明るい方向へもっていこうとする山賊たち。
それはそうですよね。
暗いどんよりとしたあらしの夜に暗い話は聞きたくないですよね。
わかります。
せめてお話ぐらいは明るく楽しい話が聞きたいという思いがよく表れていました。
作者も子どもたちにせがまれて自力でお話を作ったっことがあるのではないでしょうか?
そこで色々お話に注文をつけられたりして…。
そんな中からこの本のヒントが生まれてきたような気がします。
この本は文字数が多いので、自分で読むなら小学校低学年、読み聞かせなら年長さんといったお話です。
アントニオと注文を出す山賊たちのかけあいを楽しんでください。
こぞうさんとりゅうのたま
続いてのお話は2014年発行、はせがわかこさん作の「こぞうさんとりゅうのたま」です。
ふもとのむらにおしょうさんのおつかいに行っていたこぞうさんはお寺へ帰る途中で雨の中、岩の隙間に落ちているぼうやを見つけ助け出します。
おかあさんの行方がわからないぼうやでしたが、おしょうさまなら何かわかるかもしれないと、こぞうさんはぼうやをせおってお寺へ急ぎます。
お寺へ急いでいたのはかねつきの時間がせまっていたからでした。
雨がひどくなり、川の水がごうごうと流れている中、こぞうさんは思い切って橋を駆け抜けようとします。
けれども、もう少しで渡りきれるというところで、こそうさんもぼうやも橋といっしょに流されてしまいます。そして…
このこぞうさん実はお話の最初でなきむしという設定になっています。けれどもおしょうさまともう泣かないと約束していました。
そして、このお話のなかでは泣きそうになりながらもグッとこらえてがんばるこぞうさんはとてもたくましく思えました。
最後の部分でお寺へついておしょうさまの姿を見てこらえきれなくなって泣いてしまうところはこぞうさんのこころやさしい姿が現れていました。
このお話は年少、年中さん向けのお話です。なきむしの子どもの励ましになる1冊だと思います。
こぐまをあらう雨
今回最後のお話は1992年発行、松居 友さん作、土田義晴さん絵の「こぐまをあらう雨」です。
変わった題名ですね。どういうことか確かめたくて読んでみました。
三月の雨は雪をとかす雨。
そしてその頃の雨はかあさんぐまがこぐまを洗ってあげる雨でもあるとおばあちゃんから教わっていたことをおもい出したまきちゃん。
ちいさなぬいぐるみのくまさんをせおって雨のふっている森へ出かけます。
そして…
なぜかあさんぐまは三月の雨でこぐまを洗うのでしょう。
冬眠中の汚れを洗い流すためなのでしょうね。
川の水は雪どけ水でまだ冷たいから、雨で洗ってあげるのでしょう。
雨の中でかあさんぐまがこぐまを洗いながら歌う子守歌は不思議な歌ですが、かあさんぐまの愛情がよく出ている歌だと思います。
きっとこのお話を読んだ子どもたちはまきちゃんのようにおかあさんに甘えたくなることでしょう。
このお話も年少さん、年中さん向けのお話だと思います。
お話を読んだあとは思いっきり甘えさせてあげてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
では、またの機会にお会いしましょう。