絵本「300年まえから伝わる とびきりおいしいデザート」を紹介。エミリー・ジェンキンスさん文、ソフィー・ブラッコールさん絵、横山和江さん訳

皆さんこんにちは。ジーボです。今回は絵本の紹介です。2016年発行、エミリー・ジェンキンスさん文、ソフィー・ブラッコールさん絵、横山和江さん訳の「300年まえから伝わる とびきりおいしいデザート」です。

注目点

お話は1710年、1810年、1910年、2010年の各年代でブラックベリー・フールというデザートを作る4話構成になっています。作り方はどの年代も変わらないのですが、道具や材料の調達方法などが異なっています。

道具ではホイップクリームを泡立てるときに使う道具が1710年には小枝を束にしたものだったのが、1810年にはかじやが作ったあわだて器、1910年には鉄の歯車を回して泡立てる器械、2010年には電動あわだて器にまで進歩しています。但し、絵を見ていただければわかるのですが、あわだてる部分の形状は300年前からほとんど変わっていないように感じました。それだけ変わらないということは、理にかなった形状であるということなのでしょう。

ブラックベリー・フールを冷やす場所は、1710年では丘にあるあなぐらの中にわらを敷き詰めて冬にできた氷を置いてある場所で冷やし、1810年には地下室にある木の箱の内側になまりの板とコルクが張られて氷で冷やしてある木の箱で冷やしたり、1910年には木でできた冷蔵庫、2010年には冷蔵庫と進歩しています。冷蔵庫の無かった時代でもきちんと冷やす工夫がされているのを見ると昔の人間の知恵のすばらしさを感じました。

ブラックベリーの調達は1710年、1810年と自分で摘み取っていますが、1910年や2010年では売られているものを買うという形に変わっています。時代の進歩によって商業が盛んになり、やさいやくだものも手に入れやすくなっていることを感じさせられます。

また、各年代の生活も注目点です。家族の構成や衣装、風景などを見比べながら読んでいくのも面白いです。作者は各年代の暮らしを忠実に表現することをこころがけています。その為、奴隷制度についても避けることなく記載しています。しかし、作者はあとがきで1810年のお話には心残りなことがあると言っています。というのは、この年代は奴隷制度の全盛期であり、主人公の母親と娘が奴隷であることをお話の中できちんと説明できなかったことを悔やんでいました。1810年のお話は苦しく、つらい毎日の中にも喜びを見出し、強く生きている親子の姿を見ることが出来ました。

2010年のお話も特徴的です。このお話では父親と息子の二人が登場します。その他の3話は母親と娘が登場人物でした。2010年には既に女性が台所仕事を行うという概念が過去のものとなっていることを印象付けています。

このように移り変わる時代背景を忠実に描いた絵本は珍しいのではないでしょうか?

絵を描いた画家も苦労したそうです。この絵本の絵をすべて書き上げるのに1年かかったということです。その理由は200年前や300年前の情景は古い書物を調べながら書く必要があるからです。時には絵の生地模様を描くためにわざわざアメリカからイギリスへ出張することもあったそうです。

終わりに

1冊の絵本を描くために作者も画家もとても力の入った力作となっています。お子さんといっしょに大昔にはこんな風だったんだねと言いながら楽しむのも良いと思います。絵本に出てくるラズベリー・フーレを作ってみるのも良いです。作り方も本の最後に載っていますので是非挑戦してみてください。この味は300年前と同じなんだ。300年前の人たちはこんなデザートを食べていたんだと考えると楽しいですよ。

因みに画家のソフィー・ブラッコールさんは300年前と同じ泡立て器を作ってそれでホイップクリームを作って、ラズベリー・フーレを家族で食べたそうですよ。冷やすのには冷蔵庫を使ったと思いますが。

最後までお読みいただきありがとうございました。

では、またの機会にお会いしましょう。

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