皆さんこんにちは。ジーボです。
今回のお話は2本です。
「おむすびころりん」
最初のお話は、2004年発行、香山美子さん文、高見八重子さん絵の「おむすびころりん」です。
あらすじ
やまへじごとのおじいさん、おむすびもって、てぬぐいもって、ぞうりをはいて出かけます。
やまでおひるのおじいさん、おむすびをたべようと口をあけたら、そばのあなからうたがきこえてきた。
おむすびころりんすっとんとん。
おじいさんはおもしろがっておむすびをあなにおとします。
もうひとつのおむすびをたべようとするとまた、おむすびころりんすっとんとん。
おじいさんはまたおむすびをあなの中へおとします。
これはどうかとてぬぐいをみせるとまた、あなからてぬぐいころりんすっとんとんとうたがきこえてきます。
おじいさんはまたまたてぬぐいもあなにおとします。
おじいさんはおもしろがってぞうりはどうかと ぞうりをぬいだら、ぞうりころりんすっとんとんとうたがきこえてきます。
おじいさんはぞうりもあなの中へおとします。
おじいさんはおもしろがってもっとなにかないかとかんがえました。
そしておじいさんがあなをのぞくと、じいさまころりんすっとんとんとうたがきこえ、おじいさんはあなの中へ。
ついたところはねずみのくに。
ねずみたちはよろこんで ごちそうしたり、おどったりしておむすび、てぬぐい、ぞうりのおれいをいいます。
そしておじいさんはいえにかえるとねずみからもらったおみやげをあけてみました。
するときんぎん たからが出てきました。
それをじっと見ていたとなりのおじいさんはさっそくやまへでかけていき、おむすび、てぬぐい、ぞうりをわざところがし、じぶんもころがって、じいさまころりんすっとんとんと じぶんでうたってあなの中へはいります。
そして…
感想
この本はお話というより調子の良い歌のような文で全編書かれています。
普通の「おむすびころりん」に比べて楽しくテンポよく読み進んでいけることでしょう。
ただテンポを重視したせいで一部で意味の通じない感じがするところがありました。
おじいさんが誤っておむすびを落としたのか、うたをおもしろがって穴におむすびを落としたのかがよくわかりませんでした。
「おむすびころりん」のお話を知らずに読んだ方は(そのような人は少ないでしょうが)意味が分からず戸惑うかもしれないと思いました。
「おにはそと!ふくはうち!」
続いてのお話は、2016年発行、いもとようこさん文、絵の日本昔話「おにはそと!ふくはうち!」です。
あらすじ
むかし、まだたかい山におにがすんでいたころのことです。
ひどいひでりがつづき、田んぼのいねがかれはじめていました。
おふくのおかあさんは空を見上げてつぶやきました。
「ああ、だれか雨をふらせておくれ!ふらせてくれたらわたしのかわいいおふくをよめにやってもいい!」
そのこえをおにがききつけていいました。
「いまいったことはほんとうか?雨をふらせたものにおふくをよめにやってもいい!というのは?」
おふくのおかあさんはびっくりしましたが、おちついてこたえました。
おふくのうちの田んぼだけでなく、村中の田んぼぜんぶに雨がふって、あきにはどの田んぼもどっさりいねがみのったらやくそくはまもると。
「よし、わかった!」
といっておには山へかえっていきました。
しばらくすると雨がはげしくふりはじめ、村中の田んぼをうるおしていきました。
いねもげん気をとりもどし、すくすくそだっていきます。
そんないねを見ながらおふくのおかあさんはこの雨がほんとうにおにがふらせたものだったらどうしようとしんぱいでなりません。
おふくのおかあさんはじぶんがいってしまったことをこうかいしました。あきになり、村中のいねはりっぱにみのり、大ほうさくになりました。
ドン!ドン!ドン!とをたたくおとがします。
やくそくどおりおふくをよめにもらいにきたおにでした。
おふくのおかあさんはいそいでおふくのきもののそでになのはなのたねをいっぱい入れました。
そして、
「おふくや、よくおきき!このたねをすこしずつみちにおとしていくんだよ!はるになると金いろの花がさいてみちしるべになってくれる。この金いろの花をたどればうちにかえってこれるからね!」
とおふくによくよくいいきかせました。
おふくはおにに気づかれないようにみちにすこしずつたねをおとしていきました。
おにのうちはたかいたかい山のてっぺんにありました。
おふくはさびしい気もちをわすれようとあさからばんまではたらきつづけました。
やがてゆきがふり、さむいふゆとなり、ゆきがとけてはるがやってきました。
おふくはあさはやくおき、そとに出てみました。
するとそとはまだまっくらだというのにきらきらと金いろにひかるすじが見えました。
それはふもとまでつづいています。
おふくはそれがおかあさんのいっていた金いろのなのはなだと気がつきました。
そしておふくは金いろにかがやくみちをいちもくさんにはしりました。
まてー!まてー!ふりむくとおにがおいかけてきます。
おふくはうちまでたどりつくことができるでしょうか?…
感想
むかしからおには恐ろしい存在で人々から嫌われていました。
お福のお母さんはまさかおにがお福を嫁に欲しいと言ってくるとは思ってもみなかったことでしょう。
それ故、お話の中でもあるように軽率に言ってしまった自分のことばでお福が大変なめにあうことになったことを後悔しています。
そのため何とかしてお福を助けたかったのでしょうね。
おにからしてみれば約束を守ったのに逃げられてしまっては納得がいかないでしょう。
ちょっぴり同情してしまいます。
では、またの機会にお会いしましょう。