皆さんこんにちはジーボです。
今回のお話は2007年発行、安房直子さん作、こみねゆらさん絵の「初雪のふる日」です。
あらすじ
あきのおわりのさむい日でした。
村の一本みちに小さな女の子がしゃがんでいました。
女の子はみちにろうせきでかかれた石けりのわを見ていました。
石けりのわはどこまでもつづいていました。はしをわたって山のほうまで。
「なぁんてながい石けり!」女の子はそうさけんでろうせきのわの中にとびこみました。
すると女の子のからだはかるくなってゴムまりみたいにはずんできました。
りょう手をポケットに入れて女の子はすすんでゆきました。
かたあし、かたあし、りょうあし、かたあし…
石けりをしながらはしをわたりました。(こんなにながい石けり、だれがかいたんだろう。)
とびながら女の子はそればかりかんがえていました。
女の子はかおをまっ赤にしてあせをびっしょりかいてどんどんとんでいきました。
「もうかえろうかな。」
そうつぶやいた時、うしろでこんなこえがしました。
「かたあし、りょうあし、とんとんとん。」
びっくりしてとびながらふりむくと、まっ白いうさぎがなんびきもなんびきもあとからあとから石けりをしながら女の子をおいかけてきます。
女の子はびっくりしました。
するとこんどはまえでこえがしました。
女の子があわててまえを見ると、やっぱりたくさんのうさぎが一れつになってとんでいきます。
「うわぁ、ちっともしらなかった。」
「ねえこの石けりどこまでつづいているの?。」
うさぎがとびながらこたえました。
「どこまでもどこまでもせかいのはてまで。わたしたちみんな、ゆきをふらせるゆきうさぎですから。」
女の子はドキッとしました。
いつかおばあさんからきいたはなしをおもい出したからです。
はつゆきのふる日にはきたのほうから白いうさぎがどっとやってくるのだと。
うさぎのむれは一れつになって山から山へ村から村へゆきをふらせてゆくのだと。
そのはやいことといったら、人の目には一本の白いせんにしか見えないのだと。
「だから、きをつけなきゃいけないよ。もしもそのうさぎのむれにまきこまれたらもうかえってこられなくなるからね。うさぎといっしょにせかいのはてまでとんでいってさいごには小さいゆきのかたまりになってしまうんだから。」
そのはなしをきいたとき、女の子はなんとおそろしいはなしだろうかとおもっていました。
そしてたったいまじぶんはそのうさぎにさらわれていくところだと気がつきました。
女の子はどうなってしまうのでしょう…
感想
このお話を読むうちにジーボも段々と怖くなってしまいました。
女の子の心に徐々に深まっていく不安と恐怖が印象的です。
このようなお話はひょっとしたらどこかであったかもしれないとさえ思いました。
結末はこの本を読んで見ていただきたいと思います。
一つだけあらすじに付け加えるとすると年長者のいう事は真摯に聞いておいて損はないということでしょうか。
では、またの機会にお会いしましょう。