皆さんこんにちは。ジーボです。
今回のお話は2010年発行、山下明生さん文、おくはらゆめさん絵の「はなさかじいさん」です。
皆さんよくご存じの日本の昔話です。
このお話は室町時代に作られた昔話のようです。
その後、巌谷小波の「日本昔噺」に五大おとぎ話の一つとして紹介されてから広く知られるようになったそうです。
あらすじ
むかし川のそばに小さな村がありました。
川ぞいのみちに二けんのいえがあり、川かみのいえにはきもちのやさしいおじいさんとおばあさん、川しものいえにはよくのふかいおじいさんとおばあさんがすんでいました。
ある日、川かみのやさしいおじいさんは川っぷちにすてられている白いこいぬを見つけました。
かわいそうにおもったおじいさんはこいぬをいえにつれてかえり、シロと名づけてかわいがりました。
おじいさんとおばあさんにかわいがられてシロはどんどん大きくなりました。
そんなある日のこと、シロがはたけのすみへいき、
「ココホレ ワンワン ココホレ ワンワン」
とはげしくほえたてました。
ふじぎにおもっておじいさんがはたけのすみをほってみると、なんと大ばん、小ばんがざっくざく。
それを見ていた川しものよくばりおじいさんとおばあさんはシロをつれだして
「さあ、大ばん、小ばんはどこじゃ?」
とじぶんのはたけでシロをおいまわしました。
けれどもいつまでたってもシロがへんじをしないのでくわでシロをぶったたきました。
たまらずシロはキャンキャンひめいをあげると、
「よし、ここだな?うそだったらもっとひどいめにあわせるぞ!」
といいながらはたけをほりかえしました。
するとごみやら石ころやらへびやら出てきました。
「だましたな!このうそつきいぬ!」
あたまにきたよくばりおじいさんはそのばでシロをなぐりころし、ほったあなにけりこみました。
川かみのおじいさんとおばあさんがシロをかえしてもらいにいくと、
「あのうそつきいぬならうちのはたけのこやしになっているわ。ほしければつれてかえるがいい。」
やさしいおじいさんとおばあさんはなきなきしんだシロをほりだして川べりにていねいにほうむり目じるしにやなぎの木をうえました。
すると。。。
感想
このお話に出てくる犬はシロという名まえですが、皆さんもご存じの歌では「うらのはたけでポチがなく」となっています。
あとがきによればこの歌は明治末に作られた歌でお話の出来た室町時代にはポチという名まえは一般的ではなかったそうです。
それでこの作品を書くにあたり、シロという名前にしたと書かれていました。
さて、やさしいおじいさんとおばあさんシロによって大判、小判をざっくざくに得る訳ですが、絵で見た限りでは全く裕福になったようには見えません。
きっとやさしいおじいさんとおばあさんのことですから、困った人にでも分けたのでしょうね。
それにしてもよくばりおじいさんとおばあさんの仕打ちには怒りがこみ上げてきます。
シロは単にかわいがってくれたやさしいおじいさんとおばあさんに恩を返しただけなのに、なにもしていないよくばりおじいさんとおばあさんに恩がえしするはずもありません。
最終的には罰を受けるわけですが、その時に爽快感を味わうのはジーボだけではないと思います。
では、またの機会にお会いしましょう。